<記事を書いたきっかけ>
最近、近所の大学生と話をする機会がありました。彼は「将来小売業に就職しようと思っているんですが、資格とかないんでまず日商簿記3級を受けようと思っているんですが、これ役に立ちますかね?」と言っていました。
自分も十数年前に日商簿記3級と2級取ったのですが、取得後にその資格が役に立ったのか特に意識したことはありませんでした。
なので、今回は簿記を勉強して、その後役に立ったのかを思い出してみることにしました。
<私が取得したきっかけ>
十数年前に私が簿記の試験を受けたきっかけは、取得資格が普通自動車免許しかなかったからでした。
当時の私には資格らしいものが全くなく何か資格ほしいなあと思い、資格の中ではかなりメジャーでかつ、大学でも少し勉強した簿記を取ることに決めたのです。
<役に立ったか>
簿記の知識は役に立つというのが私の意見です。基礎的な知識を持っているだけでも意味はあります。「現金」や「借入金」、「資本金」などの勘定科目を覚えて、「資産」、「負債」、「資本」がそれぞれ借方、貸方のどちらに記載すると増加又は減少なのかを理解するだけでも十分役に立つと思います。
簿記の勉強でのあるあるネタですが、簿記の勉強をし始めた頃、借入金(かりいれきん)を間違えて「しゃくにゅうきん」と読む人がいます。今後、その様なちょっぴりはずかし間違いをしないで済むという意味でも簿記を学習することは無駄ではありません。
また、簿記には「単式簿記」と「複式簿記」がありますが、一般的な家計簿の記帳方法である「単式簿記」ではなく「複式簿記」を覚えることによって企業が株主等に報告する財務諸表を見てある程度その理解することが出来ます。
あと余談ですが、簿記をやっていると繰り返し練習する「仕訳」というものがあります。これができるとYouTubeやWebとかでたまに話題になる「料金紛失の謎 消えた100円問題」のその違和感に気づけます。
(問題)三人で1,000円づつ出し合って2,500円のプレゼントを購入しました。
あまりの500円を100円ずつ3人に返し、残りの200円を募金。
1人1,000円出して100円戻ってきたから出費は900円。
3人合わせて2,700円募金した200円を合わせると2,900円。
残る100円はどこに行ったのでしょう。
(正解)100円はどこにも行っていない。問題文自体がひっかけ。
仕訳するとこんな感じ。(勘定科目は問題文に合わせています。)
単位:円
(プレゼント)2,500 (現金)3,000
(返金) 300
(募金) 200
↓
返金を現金と相殺するとこんな感じ
単位:円
(プレゼント)2,500 (現金)2,700
(募金) 200
なので問題文の最後の二文
「3人合わせて2,700円募金した200円を合わせると2,900円。
残る100円はどこに行ったのでしょう。」
この文が変であることに気づけます。
問題文の処理を端的に言うと
「3人合わせて2,700円。
プレゼントに2,500円を使い、残り募金は200円しました。」
になるのです。
<当時の勉強時間と勉強方法>
私が2008年に受験して合格するまでの勉強時間と勉強方法は以下のとおりです。
◇日商簿記3級
・試験までの期間と勉強時間 1ヶ月(約120時間)(大学での学習時間含まず)
・勉強方法
簿記の参考書は色々ありますが、私はTACの参考書が一番分かりやすいです。
①合格テキスト → 合格トレーニング の繰り返し。
②本試験問題集(過去問)をやる
という勉強をしていました。
合格テキスト 日商簿記3級 Ver.12.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格トレーニング 日商簿記3級 Ver.12.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格するための本試験問題集 日商簿記3級 2021年AW(秋冬)対策 (よくわかる簿記シリーズ)
◇日商簿記2級
・試験までの期間と勉強時間 3ヶ月(約200時間)
・勉強方法
3級と同じでTACの参考書を使いました。勉強方法は同じです。
①合格テキスト → 合格トレーニング の繰り返し。
②本試験問題集(過去問)をやる
という勉強をしていました。
合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記 Ver.15.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記 Ver.15.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格テキスト 日商簿記2級 工業簿記 Ver.9.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格トレーニング 日商簿記2級 工業簿記 Ver.9.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格するための本試験問題集 日商簿記2級 2021年AW(秋冬)対策 (よくわかる簿記シリーズ)
日商簿記2級は私が受けたときよりも難易度は上がっているそうです。私が受験したのは2008年なので今とは状況が変わっていると思います。上記の勉強方法や勉強時間は情報は参考までに。
<まとめ>
私の意見としては簿記の勉強は役に立つというのが結論です。
経理などの仕事をするわけではないとしても、簿記を通じて学ぶ仕訳や勘定科目などの知識は会社に勤めていて不要な知識ではないはずです。むしろ知っていて当然という感じで話をされることもあります。
簿記が気になっている方は是非資格取得を通じて簿記の勉強をしてみるのはいかがでしょうか。